2005年11月10日

日本の外務省と米国国務省

 最近のハリケーンの直撃や、CIAの情報漏洩、最高裁判事に妊娠中絶に対する意見が不明な判事の登用などでブッシュ政権に対する信頼が揺らいでいるようです。特にCIAの情報漏洩は現米国副大統領で共和党2であるディック・チェイニー氏にまで飛び火し、軍部との結びつきが強い共和党内の強硬派の影響力が激減しています。逆に力を増してきたのが割と穏健な外交政策をとることが多い国務省です。特に国務長官であり共和党内3であるコンドリーザ・ライス氏は、次の共和党からの大統領候補者になるのではないかと目されています。

 さて、そんな米国の外交政策に大きな影響力を発揮し、強大な権限を持つ国務省なのですが、日本でもそれに相当する省庁があります。それが「外務省」です。外務省といえば戦前には吉田茂、幣原喜重郎など多くの内閣総理大臣を輩出し、日本の外交に強力な影響を与えてきたのですが、最近ではその力がどうやら弱まってきているようです。たてつづけに不祥事が起きたためかもしれませんが、外務省が本来持っていた権限が各省庁に委譲され(例えば、FTAなどは主導しているのが経産省や農水省で、外務省ではなくなってきています)、外務省がやっていることはせいぜい会議のセッティング程度であるという風に変わってきているのです。しかし、これは本当に良いことなのでしょうか?米国などを例にとって見るように、強力な国家というものは強大な外交の専門機関を持っているものです。他の省庁と一線を画した強力な省庁には、優秀な人材が特に集まりやすいものです。日本でも以前は、外務省に入るには、他の省庁と違い「外交官試験」という特別な試験を設けていました。このような外務省の「解体」は、戦略的、統一的に日本外交を推し進めることを困難にし、日本外交を何だかよくわからないものに変えてしまったのではないかと思います。もちろん省庁自体の政策立案能力が疑われていることもありますし、今更外務省からコンスタントに総理大臣を出せなどというラディカルなことを言うつもりもありませんが、外務省のあり方についてもう一度よく考えてみることが日本の外交政策の健全化に繋がるのではないでしょうか?




posted by 正弘 at 14:24| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月03日

中ロの石油獲得合戦

 中国国有石油大手の中国石油天然気集団(ペトロチャイナ)とロシア石油大手ルークオイルがカザフスタンの油田権益を巡り対決しているようです。焦点の一つがカザフスタンの油田会社「ノース・ブザチ」で、同社にはルークオイルへの身売りが決まったカナダの石油会社が50%、ペトロチャイナが50%を出資していますが、ペトロチャイナは出資比率を100%に引き上げる方針を先週、カナダの会社に伝えたようです。また、もう一つは「ツルガイ・ペトロリアム」でペトロチャイナの買収したペトロカザフスタンとルークが50%ずつを出資する石油合弁会社ですが、ルークがツルガイの全株を優先取得できる契約を結んでいたと主張し、ペトロカザフとの買収交渉に入りました。

 最近石油資源を巡ってのロシアと中国のカザフスタンにおける対立が顕在化してきました。例えば、ペトロチャイナによるペトロカザフの買収については、カザフスタンの議会がストップをかけるような事態にまで進展しています(「ペトロチャイナ、ペトロカザフ買収失敗か?」参照)。結局最終的にペトロチャイナに買収されることが決定されたようなのですが、カザフスタンの議会がロシアについて買収を阻止しようとしたのではないかという可能性を考えると、カザフスタンにおける中国の石油獲得戦略は今後難しいものとなるかもしれません。また、深刻な石油不足にあえいでいる中国の現状を見ての石油輸出国であるロシアの行動であるとすれば、中ロ関係は冷ややかなものになりつつある可能性もあります。カザフスタンについては情報が少なすぎてなんともいえない部分が多いのですが、今後のカザフスタンにおける中ロの石油獲得戦略については注意をする必要があると思います。




posted by 正弘 at 00:29| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 国際 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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