2005年12月15日

さらばネオコン、ブッシュの「イラクの大量破壊兵器情報は誤り」宣言

 ブッシュ大統領は14日の演説で、イラク戦争の回線理由として掲げた大量破壊兵器の保有情報の「ほとんどが誤りだった」と率直に認めました。その上で「開戦を決断した責任は自分にある」と述べ、結果的に誤りだった情報に基づく武力行使の責任を自ら負う姿勢を明確に示しました。イラク駐留が長期化するにつれ、野党民主党などからは開戦の根拠となったイラクの脅威をブッシュ政権が誇張したとの批判が続出。これに対し大統領は「過ちを正す責任も私にあり、それを実行している」と対応。情報機関改革を進めている姿勢を強調し、開戦の経緯を巡る議論を決着して復興に全力を挙げたい思惑をにじませました。

 これは明確にニューライトの米国での「敗北」宣言だと思います(ニューライトについては「変わる米国の国際戦略」をご覧ください。12月15日に少し修正しました。)そもそも、イラク駐留米軍について米政界の雰囲気が変わりだしたのは、10月29日、副大統領補佐官だったルイス・リビーが起訴され、イラクに進行する理由となったイラクの核兵器開発疑惑の根拠である外交文書が偽造だったことが大きな疑問となってから。リビー氏は言うまでもなくニューライトで、同じくニューライトのチェイニー米国副大統領の腹心です。リビー氏が関わったとされるCIAの情報漏洩疑惑はチェイニー副大統領まで飛び火し、ニューライトの力を大幅にそぐ結果となりました。

 さて、ニューライトの失脚は、米国国務省に対する国防総省の相対的な影響力の低下をもたらし、これまで米国が繰り広げてきた「地政学的」な戦略の大きな変質を迫られるでしょう。ニューライトは米国の軍需産業と密接に繋がっており、その利益の代弁者のようなものであったからです(例えばチェイニー副大統領はかつてハリバートンの最高経営責任者を務めていました。他にもベクテル社やカーライル・グループなど。)対してウォールストリート保守グループは軍需産業というよりも投資家層と関係しており(というよりロックフェラーなどは正にそのものなのですが)、直接戦争を行うというよりも、目に見えない戦争、すなわち金融(地経学的)戦略を仕掛けてくる場合が多いです。これらは「よくわからないうちに起こっていて良くわからないうちに終わっている」もので、なかなか理解が追いついていきません。後になって「ああ、そういうことだったのか」と気づく(もしくは気づくことさえできない)ものが多いです。またこれを語るときは、どうしても「国際金融資本」がどうのという話になってしまい、ユダヤがどうのというやや「オカルティックな」ものになってしまう感が否めません。はっきりしていることは、彼らが米国の「投資家層」の利益の代弁者ということだけです。今起こっていることで彼らが関わっているのではないかというものの例えとしては、例えば石油価格の高騰(ロックフェラーが故意に石油価格を上げている)、米国の金融引き締めによる債券高騰を事前に漏らされていた(というより、むしろ彼らがFRBに働きかけて金融引き締めをした)為に債券を買い占めていた資本家グループが利益を上げている、など。日本ではタイムリーなものではみずほ証券の誤発注の件でしょうか?(ジェイコムの株式を大量に保有していた証券会社を見てみてください)こんなことはまともに信じられるものでもないかもしれませんが、ウォールストリート保守派が影響力を拡大するとこれから益々このようなことが起こってくるのかもしれないのです。「イラクの大量破壊兵器情報は誤り」という宣言を受けて米国の覇権が一見衰退するように見えるかもしれませんが、要は「単なる共和党内の権力闘争」であり、「地政学的戦略(目に見える覇権)なのか、地経学的戦略(目に見えない覇権)なのか」ということだけです。米国の戦争主義嫌いの人も、小躍りしてしまわないよう気をつけましょう。特に日本にとっては地政学的重要性が低下することによりその影響力も低下してしまい、良いことなど何もないのですから…。






posted by 正弘 at 12:27| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(2) | 国際 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
早速小泉前原窮地ですな。何か前原周辺でもスキャンダルぼちぼちでてるし。とにかくT中H蔵のバックのウォール街グローバリストを駆逐しない限り「植民新党」こと現郵政売国自民党とはおさらばできませんわね。
Posted by 抵抗勢力 at 2005年12月16日 00:42
抵抗勢力さん、コメントありがとうございます。
すごい名前ですね(笑)

前原さんの周辺はホントに色々とスキャンダルが出てますね。前原さんにというより、前原さんの反撃だと思われるのですが、旧社民党系の五島衆議院議員が議員辞職したのは面白いことだと思います。ごたごたし過ぎですよね、民主党は。

竹○さんに関しては…みずほ証券の誤発注の件でこれ以上変なことを押し付けられないことを切に願うばかりです。全く以って勘弁してもらいたいですよね。
Posted by 正弘 at 2005年12月16日 03:54
みずほ銀行はシティバンクに、金融資産は投資ファンドに、不都合があれば国民の税金で、労働力はより安く(フリーター)耐え難いですね。以前に増税する小さな政府?といったタイトルでコメントがありましたが、私はこの小さな政府路線の本質は政府の関与を縮小することにはなく、経済権力(要はシティーリップルウッド、ロックフェラーなどウォール街、エネルギー系世界財閥) の関与を増大させる事にあると思います。歴史的な流れからいえば総督府による政治的直接統治から経済支配とカイライ政府による経済的間接統治(財閥からみればこちらが直接統治かもしれませんが)に大きく世界が動いているということでしょう。
Posted by 抵抗勢力 at 2005年12月16日 17:10
再びコメントありがとうございます。

大きな政府派の政治化が土建や農家、医者などの(政府の所得再分配で利益を得る)人たちを支持団体に持っているとすると、小さな政府派の政治家たちは減税することによって利益を生むことができる「企業」などと繋がっていることが多いものだと思います。今回の増税案も取るのは企業ではなくやっぱり家計から。耐え難いですね。土建でも農家でも医者でもなければ、企業経営もしていない私は一体どこを支持すればいいのでしょうか?まあ土建は外国勢力と結びついていないだけまだましということなのですかね…
Posted by 正弘 at 2005年12月17日 02:52
まあ「抵抗勢力」の私も別に家業が土建ではない訳ですが(医者とは微妙につながりがありますが)ただ、土建政治時代のほうが単純に周りの皆さんの「羽振り」は良かったですね。日銀短観や株の出来高がどうであろうと我々庶民にとってはこの「羽振り」だけが景気の動向を表わす指標です。しかしこの“指標”が最近どうもよくない。この理由を私なりに考えてみたのですがやはり、土建時代は曲がりなりにも景気循環が成り立っていたからだと思うんですね。特に地方はそうです。風が吹けば桶屋が儲かるではないですが、土建屋が儲かれば何屋だって儲かるとうような事は確かにありました。(だからと言って土建一辺倒のやり方が良いとは思いませんが)しかし市場(金融グローバリスト)主義の名の下に財政支出削減(何故か我々国民生活関わるものだけ減らされてる気がしますが)、規制緩和を行った結果、日本の資金は海外に流出し、その上財政出動によるケインズ的政策の恩恵も受けられなくなってしまった。これこそ我々庶民にとっては「双子の赤字」(笑)なわけですね。ですから私は竹中路線は支持できないわけです。個人的には都会では市場主義、地方は社民主義、それが一番だと思います。
Posted by 抵抗勢力 at 2005年12月17日 11:57
「都会では市場主義、地方は社民主義が一番」というのは確かに感じますよね。私も田舎にいた頃は、株価も為替も気にもしていませんでしたし、新聞も日経新聞ではありませんでした。周りも日経新聞なんて取っていなかったと思います。読売・朝日・中日から一紙、それと地方新聞です。地方と都市部は生活がかなり違うと今更ながらに感じます。竹中総務相は三位一体改革だ、抵抗勢力だの言いますが、実は単なる「地方潰し」なのではないかということを、国民はそろそろ気づかなければならない時期に来ているのかもしれませんね。
Posted by 正弘 at 2005年12月17日 13:14
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ブッシュ大統領の告白の意味1
Excerpt: ブッシュ大統領が14日の演説で、イラク戦争開戦の根拠だったイラクの大量破壊兵器の有無に関する情報について、多くが誤りだったことを認め、開戦の決断に際しての自らの責任も認めた。しかし一方で、イラク戦争..
Weblog: 外交のファンタジスタ
Tracked: 2005-12-16 20:22

米ブッシュ大統領が情報の間違いを認めた事について
Excerpt: 米国時間12月14日、イラクの国民議会選挙を目前にブッシュ米大統領は、イラクの大量破壊兵器についての情報が間違っていて、この間違った情報をもとに開戦を決めてしまった責任は、大統領としての自分にあると初..
Weblog: One And Only
Tracked: 2005-12-17 07:09

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