2006年09月30日

中国経済は軟着陸・・・なのか?

 最近中国経済が軟着陸するのではないかという観測が出てきています。中国は4月5月くらいに何回か利上げと買いオペをやったのですが、その効果が最近出てきている模様です。以下はクレディ・スイス証券の「国際経済ウィークリー(9月19日)」からの引用です。


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中国経済:ソフト・ランディングの可能性が高まる(一部抜粋)

• 中国経済は減速の兆候を示し始めたとみられ、7 月の新規融資は1,700 億元と6 月の半分以下にとどまった。当社の考えは少数派ではあるが、行政による引き締め措置が投資と信用の拡大抑制に成果を上げ始めているため、中国の「ソフト・ランディング」の可能性は高まっていよう。今年第4 四半期のGDP 成長率は、第2 四半期の前年同期比11.3%から10%程度に鈍化する一方、固定資産投資と鉱工業生産の伸び率は、第4 四半期までに前年同期比で20%、15.5%に向かうと予想される。第2 四半期はそれぞれ30.8%、18.1%だった。これはいかなるランディングにも程遠いと思われるが、中国政府のブレーキを踏む力を緩めさせるには十分だろう。

• 中国人民銀行(中央銀行)はここ数ヵ月にわたり、政策金利と預金準備率引き上げ、公開市場操作を強化してきたものの、国内流動性は過剰な状態が続いている。中銀は年末までにもう一度金利を引き上げる見通しだが、中国政府は投機マネーの流入を抑える目的で、人民元とドルの大幅な金利格差を維持することを望んでいるため、利上げ幅は制限されよう。こうした影響により、従来の金融調整手段は国内の金融環境の正常化に成果を上げてこなかった。

• だが、当社の所見によれば、行政措置は景気の鎮静化に奏功しているようだ。中国人民銀行は、過剰な融資を実行しているとみられる商業銀行に2,500 億元の国債を市場価格よりも高い価格で強制的に購入させた。金融当局はまた、国内銀行を4 つのカテゴリーに分類し、融資拡大政策に関する別々の通達を出している。こうした措置は市場に基づく経済原則に反するが、銀行融資の伸びが勢いを増す中国では機能するだろう。さらに、中国政府は地方政府に対する監督を強化し、投資を減速させるよう圧力をかけている。

• 7 月の広義マネーサプライ(M2)の伸びは前年同月比18.4%と、依然として高水準の流動性を浮き彫りにする一方、融資の伸びは行政の引き締めによって同16.3%に鈍化した。今年後半には銀行融資の減少と預貸率の低下が予想される。


 私としては、ソフト・ランディングと言うよりもうちょっと激しく崩壊するのではないか、と考えていたのですが、確かに最近の中国を見ているとソフト・ランディングの可能性は高まっているのではないかという気がしてきました。それは中国の行政措置にもよりますが、どちらかと言うと国際要因の方が大きいのではないかと思います。

 まず何よりも原油価格の下落が挙げられるのではないかと思います。原油価格の下落はインフレの進行を緩め、結果として金利の上昇を抑える効果があります。これにより米国経済が思ったよりも堅調である事は、中国にはプラスとなるでしょう。輸出先の国の経済状況は大切です。

 他にも、米国が選挙で忙しくて中国になどは構っていられない「政治的な空白期間」がプラスに働いているのではないかと思います。共和党はただでさえ負けそうなので、中国に強硬な姿勢をとろうとしている右派の面々も、中国どころではないのでしょう。この今現在起こっている政治的な空白を、後々生かしていく事が中国にとって重要なのではないかと思います。

 しかし先ほども述べましたが、「崩壊」する可能性はまだまだ十分あるのではないかと思います。以下は再びクレディ・スイスのレポートからの引用のですが、

• 中国は以下の理由から、米国の予想以上に急激な消費減速を比較的上手く乗り切ることができるだろう。(1)外需セクターの鈍化は過熱気味の経済にとってプラスとなる。(2)中国は資本勘定が閉鎖的であるため、米国の景気減速がもたらす金融市場の混乱を回避することができる。(3)人民元はドルに連動する形で他の主要通貨に対して下落する可能性が高い。


 (1)の外需セクターの鈍化は過熱気味の経済にとってプラスになる、というのは鈍化の程度によるのではないかと思います。確かに利上げ観測が遠のき、程よい程度になりそうではありますが、原油価格はこれから上昇する要因がある気がしますし、まだまだ様子見と言ったところなのではないかと思います。(3)の人民元に関してですが、クレディ・スイスはそもそも人民元のドルに対する大幅な上昇などと言うケースはあまり考えていないのでしょうか?いくら共和党の保護主義政策者たちが力を落としているとはいえ、ウォール街の「人民元の上昇を見込んで大量に人民元を保有している人達」の圧力を米国が上手くかわすことができるのかが若干疑問です。まあ人民元を保有していると言う意味では、私の中で「もっていそうな企業」の上位ランクに入っているクレディ・スイスが言っているので、そうなのかもしれませんが・・・







posted by 正弘 at 01:03| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 国際 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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