2006年10月03日

欧州のフェアトレード市場とソフト・パワー

 国際貿易投資研究所から、増加する欧州のフェアトレード市場についてのレポートが出ています。以下は、やや長いですが、「欧州のフェアトレード市場と日本」からの引用です。


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開発途上国との貿易において、先進国側の企業が収益を最大化することを目的として行なう通常の貿易とは異なる、途上国の農民などの自立を支援するための、「オルタナティブな(もう一つ別の)貿易」を追求するNGO活動としての「フェアトレード」は、近年急速に認知を広げつつある。

(中略)

 21 世紀に入って、欧州のフェアトレード市場は急速に拡大してきている。この程発表された『欧州のフェアトレード2005 年』報告書によると、2001〜05 年の5 年間に、欧州のフェアトレード市場は年率20%で急成長してきた。
(中略)

 FLO(フェアトレードラベルリング)はすでに欧州では15 カ国に広がっており、小売売上額は5 億9,700万ユーロに達している。前記の5 万5,000 のスーパー店舗で扱われているのはほとんどがこれらフェアトレードラベル商品である。〔注:FLOに参加している国は欧州では15 カ国だが、スペインは05 年10 月加盟のためこの売上額の中には含まず。また欧州以外では米、カナダ、日本が加盟している。〕

 現在、世界の58 カ国以上の開発途上国で600 万以上の生産者・家族がフェアトレード生産の恩恵を受けている。これら生産者からフェアトレード商品を先進国(欧州)に輸入しているフェアトレードNGOは約200団体である。また、フェアトレード運動の中で働くボランティアはフルタイム換算で10 万人に上っている。主としてワールドショップなどのフェアトレード専門店はこれらボランティアに依存している。

 特定の国ではフェアトレード商品はすでに大きなシェアを占めるに至ってる。スイスでは、バナナ市場の47%を、生花市場の28%、砂糖市場の9%をフェアトレードラベル(認証)商品が占めている。英国は人口ではスイスの8 倍だが、コーヒー市場の20%、紅茶市場の5%、バナナ市場の5.5%をフェアトレード認証商品が占めている。

 現在、市場で売られているフェアトレード商品は1,100 品目以上に及ぶ。蜂蜜やマンゴーからバラや綿のTシャツまで。コーヒー、ココア、紅茶、砂糖、さらにクラフト類からファッション衣料まである。

 フェアトレードラベルの認証マークを知っている人は、英国では2002年には20%だったが、2005 年には50%に上昇している。アイルランドでは2002 年の16%から04 年には44%に伸びている。ルクセンブルクでは2002 年から05 年の間に、フェアトレードラベルのロゴを知っている人は32%から63%に増加している。さらに、2005 年にフェアトレードラベル商品を購入した人は14%で、購入するつもりの人は57%だった。スウェーデンではフェアトレードラベルに対する認知は2004 年の39%から05 年には47%に上昇している。

 さらに、フランスではフェアトレードの理念を知っている人は2004年には56%だったが、2005 年には4%に増えている。ベルギーではフェアトレードへの一般の人々の認知は2002 年の32%から2004 年には66%へ大きく増加している。ドイツでは、フェアトレード商品を購入する消費者は、2004 年の22%から05年には25.8%に増えている。このように、フェアトレードに対する認知はここ数年のうちに大きく上昇してきている。また、英国ではすでに2000 年から「フェアトレード・タウン」宣言制度を導入しているが、これも急速に拡大して現在の宣言都市(町)は130 に達している。


 この先、日本のフェアトレード市場はまだまだ開発途上である、というような話が続きますが、とりあえずここで一区切りしておきます。

 今回なぜこのレポートを取り上げたかというと、昨日ちょうど友人達と「ソフト・パワー」について盛り上がり、タイムリーだったからです。おそらくこれは好例でしょう。こういうレポートを見ると、やはり欧州のソフト・パワー戦略は、日米の一枚も二枚も上回っていると感じざるをえません。軍事力という「ハード・パワー」を使い攻め込んで、無理やり根付かせようとする米国のソフト・パワー(例えば、中東における民主主義など)とはわけが違います。かなり昔に、「覇権国家の条件」という記事で書いた、

教蓋天下(世界中で指導的役割をする思想理念の侵略的影響)、もしくは、
習蓋天下(世界中で指導的役割をする価値観や文化の侵略的影響力)

というのとまさに一致しているのではないかと思います。もちろん、当のNGOの方々などはそういうつもりでやっているのではないでしょうが、政府がこういうものに力を入れるという場合は、明確に「国家戦略である」と意識して行っている場合が多いでしょう。そして、そのような思想や価値観を輸出されているのは、まさに日本なわけです。

 ところで、日本のソフト・パワーは何か、と考えた時、とりあえず漫画とかアニメだろうという話になりました。麻生氏は演説の中でよく漫画の話をしましたが、彼はおそらく単に漫画が好きというのもあるでしょうが、それ以上にこれが「日本のソフト・パワーである」と意識していっていたのでしょう。他にも環境保全への努力などが挙げられると思います。日本はそれらをもっと積極的に海外に輸出していかなければいけないのではないでしょうか?







posted by 正弘 at 02:31| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 国際 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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