2005年10月01日

人民元改革V(ホットマネーのリスク)

 人民元改革の最後は、人民元切り上げを見込んだ中国へのホットマネーの流入に伴う改革へのリスクについてです。ホットマネーとは「国際金融市場を動き回る投機的な短期資金」のことで、これがアジア、特に中国に流れ込んでいると考えられます。理由は簡単で、人民元のように将来的に切り上がるのがほぼ確実と予測されるのならば投資する、という当たり前の投資家心理です。株を買うよりもよっぽど確率が高いでしょう。そして、ホットマネーというものは概して「一斉に押し寄せ、一斉に去っていくもの」です。人民元が大幅に切り上げられる、もしくは変動幅が増加し適正価格まで上がるとするならば、投資家たちは一気に人民元を売り、ドルを買うでしょう。そうなると人民元は一気に下落、中国企業は外資に買収され、外貨準備高が大幅に下がることによって中国政府はIMFのお世話になることになります。主権国家としてそのようなことは実に避けたいものでしょう。

 現在アジアに流入しているホットマネーは、1998年に流出したホットマネーの3倍以上とも言われます。これは、タイ・バーツが下落したあの忌まわしいアジアの金融危機よりもはるかに規模が大きい金融危機が迫っていることを意味します。1998年のときは日本円も1ドル140円台まで下がったことは記憶に新しいこと、日本も他人事ではありません。新聞を見る限りでは金融庁も準備はしているようですが、どこまでショックに耐えられるでしょうか。国際的な歪みを是正するためには必要なことなのかもしれませんが、せっかく景気が回復してきているこの局面ではできれば避けてもらいところです。米国が用意したこの最大でおそらく最後の「中国バブル」の行く先は、日本としても今後注意が必要でしょう。






posted by 正弘 at 00:41| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済・金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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