2005年09月20日

人民元先物、日系企業参入へ

 東京三菱銀行、三井住友銀行、ドイツ銀行、シティバンク、英HSBC、香港ハンセン銀行など日米欧合計6銀行は、中国で顧客企業を対象にした人民元の先物業務に参入します。人民元は、7月下旬の人民元2%切り上げに伴い、ドルに固定しているドルペッグ制から、ドル・ユーロ・円・香港ドル・ウォンなどと連動し、変動するバスケット制に切り替えました。外銀6銀行は、今回の認可で企業にリスクヘッジの手段を提供することが可能になります。制度上は先物の期間や元と交換する通貨の種類に制限はありませんが、当面はドルを対象に3ヶ月先までの取引を中心とする見通しです。

 これまで中国政府が人民元先物の提供を認可していたのは、国有商業銀行を中心とする中国の7行だったため、外資系企業は自分の国の銀行が中国に出した支店にしか口座を開けないことが多く、相場の変動リスクにさらされたまでした。

それにしても、こうやって人民元切り上げに対するリスク手段が整ってくると、改めて大幅切り上げが近づいているのではないかという期待が膨らんできます。日本では景気が上向いてきたばかりですし、影響をもろに受けないためにも日系企業はしっかりとリスクヘッジして欲しいですね。

<参照>
東京三菱銀など人民元先物業務に参入 (日経新聞)

HSBC、人民元の先物為替予約業務を展開 (人民日報)
posted by 正弘 at 21:16| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済・金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

中国繊維業界のリスク

 最近、中国からの繊維輸出増が諸外国(特に米国)で問題となっています。

(9/2)米政府、中国製繊維2品目に追加セーフガード・協議決裂で(日経新聞)
http://www.nikkei.co.jp/china/industry/20050901d2m0102q01.html

 中国は今や、先進国が相殺関税やダンピング防止関税を適用しようとしている第一のターゲットになっています。WTOの繊維協定(ATC)が2004年12月31日で期限切れとなり、各国への割当制と特恵貿易関係がなくなりました。以来、中国からの繊維製品の輸出が激増しています。当然のことながら、これはATCがあった頃に繊維が重要な外貨獲得源だった国に大きなダメージを与えています。例えば2005年1から5月期、米国が中国から輸入した綿ズボン・ニットシャツ・下着は、前年同期比ベースでそれぞれ1609%・1532%・427%増加しました。対して、香港、台湾そして韓国から同製品の輸入額は、ニットシャツだけ45%増加しましたが、他の2品目については各々25%・57%減少しています。

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posted by 正弘 at 02:45| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済・金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月19日

農水省備蓄飼料を放出。カトリーナの影響こんなところにも

 農林水産省は、10月から国内で備蓄している飼料用作物を取り崩すことを決定しました。

農水省:米国のハリケーン「カトリーナ」の影響に対処するための飼料穀物の備蓄の放出について
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050916press_2.html

 米国を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」の影響で、米国からの飼料作物の輸入急減による飼料価格高騰が、食肉価格に転化されるのを避けるため。2005年9月5日から9日の調査では、国産牛肉の価格が最高値を更新しました。

同省:消費・安全局「食品価格予察パトロール業務の緊急調査」による全国平均小売価格(各週)
http://www.maff.go.jp/beef/beef_siryo/siryo01.pdf

 日本は飼料穀物の大半を米国からの輸入でまかなっていますが、その大部分はハリケーンの直撃を受けたニューオリンズ港から輸出されています。同港はハリケーン襲来後は事実上の操業停止状態で、再開の目処も立っていません。

 農水省によれば、措置の内容としては、
(1)飼料用とうもろこし、こうりゃんの備蓄放出
貸付方式により実施し、貸付限度数量を30万トンに拡大(通常は10万トン)して実施。
(2)飼料用大麦の備蓄放出
売却予定枠を10万トンとして、必要に応じて売渡し。
とのこと。また、「この他民間在庫として、配合飼料メーカー等が一定数量の在庫を確保しており、今回、この民間在庫についても活用を図る」としています。
posted by 正弘 at 19:23| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済・金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月17日

OECD人民元より柔軟に

 経済協力開発機構(OECD)は16日、中国に関する初の経済審査報告書を発表しました。最近問題となっている中国での知的財産保護や、企業経営改革、銀行改革など重要なものが目白押しでしたが、やはり目を引いたのは為替制度、つまり人民元の改革についてでしょう。

 OECDは、米国の要請に応じて7月21日に人民元を2%切り上げ、ドルペッグ製から通貨バスケット制に移行したことについては、「正しい方向に進んでいる」との評価を下しましたが、「The report argues that a more flexible exchange rate for the Chinese currency would reduce price volatility and provide a more stable macroeconomic environment. 」(人民元のより柔軟な運用が価格を安定させ、マクロ経済学的に安定させる)と発表し、人民元のより一層の柔軟な運用を求めました。ジョンストンOECD事務総長は16日北京で開いた記者会見で、「報告書作りには中国も参加した」と述べ、内容は中国も納得しているものだと主張したようです。

 最近人民元問題では、胡錦濤国家主席の訪米時の米国側の要請や、国際通貨基金(IMF)も相場変動の柔軟性を高めるためにもう一段階の改革を求めるなど、中国側への圧力は高まりつつあります。ほぼ確実と見られる人民元の再切り上げですが、中国がいつ切り上げるのか、決断が迫られています。

<参照>
posted by 正弘 at 13:36| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済・金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

消費者心理やや改善か?

 内閣府によると、平成17年8月の一般世帯の消費者態度指数は、前月差0.3ポイント上昇した48.4となりました。「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」及び「収入の増え方」で前月差が上昇したことによるものであると内閣府は分析しています。ここ最近のデータで徐々に現われてきていますが、雇用環境や労働所得が上向いてきていることを改めて確認する内容となりました。

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posted by 正弘 at 07:19| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済・金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月15日

中国経済崩壊への序章

 内閣府の発表によると、それまで2桁の成長を続けていた対中投資額は、2005年4月以降前年同月比で2桁の減少が続いており、4-6月期は、前年同期比12.1%減の151億7500万ドルまで減少したようです。これまで香港・韓国・米国などが主な出資先だったのですが、軒並み投資額が減っています。

 内閣府によれば減少理由として、
@労働力不足、及びそれに伴う賃金の上昇
A電力や水等インフラ不足、
B投資や国内需要の一巡
C外資優遇税制撤廃の動き
D知的財産権保護など制度面の未整備
E政治不安
F為替リスク
G原油高による先行き懸念
などがあるのではないか、としています。

 中国の成長モデルは、輸出ならびに固定投資に不釣合いなほど大きく依存しており、GDPに占める両者の割合は今年では89%に達しそうです。これは2001年時点の60%と比べれば、大幅に上昇しています。逆にGDPにおける消費の割合は同期間に60%から50%に減少しています。中国経済は、ほんの4年間で外需に頼りきった構造になってしまったようです。

 日本でも、2005年4月を境に、少しですが対中投資額が減っているようです。2005年4月と言えば、あの「反日デモ」が起きたころです。日本企業も(上記の理由、特に日本企業にとってはEかもしれませんが)中国進出がリスキーな事業であることに気がついてしまったのではないでしょうか。

<参考文献>
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2005年09月13日

設備投資牽引の経済成長

<本日の話題>内閣府の四半期別GDP速報(平成17年4-6月・2次速報)

 内閣府が十二日発表した平成17年4-6月期国内総生産(GDP)改定値は、物価変動の影響を調整した実質で前期比0.8%増、年率換算で3・3%増となりました。

 実質0・8%成長のうち、国内と海外の需要でのプラス値の差を見ると、内需は+0.6%、外需が+0.2%と「内需主導の成長がより鮮明に」なりました。内需を牽引したのは民間企業設備投資。前期比と比べ+3.6%とかなり好調です。ITバブル崩壊後、企業は設備投資を抑制してきたため、設備ストックのヴィンテージは長期化の一途を辿っていました。しかし、ここにきて設備投資計画が着実に実施され始めているものと考えられます。インパクトの大きさと言う点では、@自動車、Aリース(一般機械)、B不動産、C電気・ガス、D通信、E鉄鋼・科学といった産業からの寄与が高いと見込まれます。内閣府集計の7-9月期受注見通しが同+0.9%と緩やかながら着実に増加したいるのを考えると、設備投資は7-9月期もまだまだ増加基調で推移しそうです。

 OECDの日本のGDP成長率が+1.8%に改定されたばかりですが、このまま設備投資の増加が見込まれれば、モルガン・スタンレーの予測である年率2.5%成長も夢ではないのではないでしょうか?

 参照
posted by 正弘 at 17:57| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済・金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月10日

年内にデフレ脱却か?

<本日の話題> 消費者物価、年内に上昇局面へ

 日経新聞によると、消費者物価(生鮮食品を除く)の主要民間エコノミストの景気予測を平均すると、今年10―12月期に前年同期比0.02%の上昇で、年内にプラスに転じると報じた。また、原油高や景気回復などを映し、2006年も0.2%台の緩やかな上昇を見込むとしている。

http://www.nikkei.co.jp/keiki/news/20050909d1f0901209.html

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posted by 正弘 at 00:03| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 経済・金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月07日

グローバル時代の石油危機

<本日の話題> グローバル時代最初の石油危機は、どのような影響を与えるか?
 今世界では原油高が進んでいます。先物価格では、1バレル、70ドルに迫ろうかという勢いです。モルガン・スタンレーのレポートでは、ブレント/WTI原油価格の短期的なピーク予想を1バレル70〜75ドルへと上方修正したようです。これは、2ヶ月前の同社予測よりも20ドルも高い価格です。オイルショックは今まで何度か経験してきたことで、日本では、その後石油エネルギー利用の高効率化が進みオイルショックへの耐久力は比較的高いため、それ自体が今回復途中にある日本経済に大きな影響を与えることはないであろうということは、以前このブログでも触れました。しかし、今回のオイルショックが今までと違う点、すなわち、「グローバル化が進む現代において始めて遭遇するオイルショックである」ことがどう影響するかは、この先の日本経済の見通しについてかなり暗い影を落としていることは否めません。

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posted by 正弘 at 01:34| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 経済・金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月31日

2005年度改訂経済見通し

<本日の話題> 蛹から蝶へ:2005-06年度改訂経済見直し モルガン・スタンレー

http://www.morganstanley.co.jp/securities/jef/comment/050817/08170501.pdf

 モルガン・スタンレーは、4-6月期GDP一時速報公表を受け、経済見通しを上方修正したようです。改訂後の見通しは2005年度で+2.5%、暦年で+2.1%(改訂前はそれぞれ+1.6%、+1.6%)、2006年が年度で+2.8%暦年で+2.8%(同+1.9%、+1.7%)となります。4-6月期GDPのヘッドライン下振れでも比較的大幅な上方改訂に踏み切った理由として、
@労働市場の構造変化に伴う雇用・所得環境改善の明確化
A資産デフレ化で手控えられていた設備投資需要の顕在化
B前回見通し策定時(6月)と比較した海外経済の持ち直しの明確化
の3つを挙げています。また同社は、財・労働市場の需給タイト化、06年の原油価格反落からGDPデフレータはプラスに転じ、06年度の名目成長率は+2.9%(暦年も同じ)と、遂に名実の逆転を予想しています。

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posted by 正弘 at 02:17| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(1) | 経済・金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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